2022/09/13
米国eHealthジャーナル第72号
Teladoc、2022年第2四半期決算を発表
Teladoc, テレヘルス, VC投資・M&A・決算, ジャーナル第72号
連続する大幅赤字決算で株価が低迷
テレヘルスおよびデジタル・セラピューティクス(DTx)を活用した包括的バーチャルケアを提供するデジタルヘルス企業のTeladoc Health(以下、Teladoc)は7月27日、2022年第2四半期(Q2)決算を発表した。Teladocは2015年7月にIPOを実施し、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している。
2022年Q2の売上は前年同期比18%増の5億9,240万ドルで、アナリストの売上予測レンジの上限と一致した。Q2売上の内訳は、米国売上が同18%増の5億2,140万ドル、米国を除くグローバル売上が同13%増の7,100万ドルだった。Teladocは声明で、同社のバーチャル・プライマリケア・プログラムである「Primary360」が堅調に成長していることを強調した。Teladocは7月6日に、「Primary360」において医薬品の無料当日配達およびラボ検査用サンプルの患者宅回収サービスをメンバーに提供すると発表し、プログラムの強化に努めている。
2022年Q2の純損失は、前年同期の1億3,380億ドルから31億100万ドルに拡大した。Teladocの2022年の損失額は上半期までに約100億ドルに到達した。調整後EBITDA(金利、税金、償却前利益)は前年同期の6,680万ドルから同30%減の4,670万ドルとなった。
Teladocは2020年8月に、糖尿病管理を目的とするDTxのパイオニア企業として知られるLivongo Health(以下、Livongo)と合併合意に至り、同年10月末に株式交換と現金の組み合わせによる総額約185億ドルでのLivongo買収取引を完了。包括的なバーチャル診療を提供するための新体制をスタートさせた。糖尿病管理DTxからスタートしたLivongoは、前糖尿病や高血圧症の患者を対象とする疾病管理プログラムも手掛けるようになり、2018年4月発表のRetrofit買収を通じて体重管理、また2019年1月のMyStrength買収を通じて精神疾患分野におけるプレゼンスも獲得した。
しかし、Livongoの買収は現在までのところ、Teladocの株価パフォーマンスにマイナスの影響をもたらしている。2022年第1四半期には、主にLivongoに関連するのれんの減損を理由として66億ドルの減損損失を計上し、これを受けてTeladocの株価は低迷した。
同社は2022年Q2にものれんの減損を理由として30億ドルの減損損失を計上しており、2022年Q2決算発表を受けて、Teladocの株価はさらに下落した。
Teladocは、2022年通年の売上を24億~25億ドルとする以前発表のガイダンスを据え置いたが、市況によって予測レンジの下限となる可能性を警告した。2022年第3四半期の予測については、売上を6億ドル~6億2,000万ドル、1株あたり純損失を0.85~0.60ドルとするガイダンスを明らかにした。
(了)
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