2019/09/10

米国eHealthジャーナル 第3号

DEARhealth、シリーズA投資ラウンドで680万ドルを調達?

VC投資・M&A・決算, 患者データ・疾病リスク分析, ジャーナル第03号

 

健康アウトカムの改善を図るとともに医療費削減を目指す疾病管理ソフトウェア

疾病管理ソフトウェアを開発する
DEARhealthは7月17日、シリーズA投資ラウンドにおいて680万ドルを調達したと発表した。同投資ラウンドには、Philips Health Technology Ventures、Vesalius Bio capital lll、Health Innovationsが参加した。

DEAR Healthは、University of California, Los Angeles(UCLA)のヘルスケアITスピンアウト企業で、慢性疾患管理のためのAI基盤クリニカルパスを実行する「サービスとしてのソフトウェア (SaaS)」を、AmazonのAWSクラウドプラットフォーム上で提供している。
クリニカルパスとは、医療における品質管理手法の1つで、ある治療において、患者の退院時または治療終了時における「あるべき状態」について目標を設定し、その目標達成に向けて医療従事者が行う検査、治療、投薬、処置、看護ケアなどの医療介入を標準化し、系統的かつ時系列に記述した診療計画を指す。
 

(出典)DEARhealth


慢性疾患患者のクリニカルパスは、エビデンスに基づいて用意された機能群と機械学習を利用して、既知の、そしてその疾病特有の健康リスクを継続的に考慮しつつ、自動的にリスク調整される。患者側のアプリは、患者報告アウトカム指標(Patient-reported outcome measures、PROM)や患者報告経験指標(Patient Reported Experience Measure、PREM)を収集するのみならず、治療へのモチベーションや服薬遵守率の向上を目的とする精神的サポートや、患者経験の向上につながるウェルネスおよび教育のコンテンツを含み、患者とそのケア提供者が主体的にクリニカルパスに関与することを可能にする。患者由来のデータは、EHRのデータとともに、医療従事者が正確かつ迅速な個別化介入を提供するのを支援する。

DEARhealthは7月2日に、てんかん患者に対するケア提供の改善を目的として、ベルギー拠点の製薬企業、UCBとの提携を発表したばかり(UCB、ソフトウェア企業のDEARhealthと提携参照)。

 

(了)


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