2023/07/25
米国eHealthジャーナル第92号
スマートリング「CART-I」の韓国Sky Labs社、大熊製薬と提携し全国展開へ
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連続血圧測定機能を追加し、心血管イベントの早期予測へ
指輪型のウェアラブル医療機器を開発する、2015年創業の韓国スタートアップ Sky Labs Inc. (以下、Sky Labs社) が６月８日、大熊製薬と提携し、24時間連続血圧測定機能を搭載した最新モデル「CART-I BP」を９月以降、韓国内で販売する計画を明らかにした。
「CART-I」は、欧州医療機器指令(CE-MDD)を取得し、この数年は欧州各国への進出を図ってきた、 心房細動を検出する医療用スマートリングである。
その最新版となる「CART-I BP」は、適用を高血圧に広げたもの。カフレス方式を採用した世界初のリング型血圧計として、韓国内では３月に食品医薬品安全処から許可を受けている。
血圧測定と言えば、これまでは前腕を圧迫して血圧を測定するカフ方式が一般的であったが、着用不快感による睡眠障害、繰り返しの圧迫による痛みの誘発が、24時間連続の使用時に課題となってきた。「CART-I」では、リングに埋め込まれたセンサーを通じて血圧を測定し、AIアルゴリズム処理することで、24時間連続モニタリングの際も、ユーザに負担をかけない着用が可能となった。
Sky Labs社では、夜間高血圧や早朝高血圧、突発的な血圧上昇など、把握が困難な病態に対して、リングと連携したスマホアプリを通じて正確な測定機会を提供し、高血圧管理の範囲を病医院外にまで広げ、心血管イベントの早期予測を可能にし、患者の生活を改善することを目指している。飲酒や血圧薬服用後の反応をリアルタイムでチェックしたり、薬物投与量を調節したり、生活習慣改善の変化も引き出したり、可能性を模索されているところだ。
「CART-I BP」は９月に医療機関向けて発売される予定。今年末には一般消費者向けにオンラインで発売され、今後3年間累積700億以上の国内販売を目指している。
大熊製薬は、韓国内第６位(2022年売上高ベース)の製薬企業。高血圧治療剤「オルメテック Olmetec (第一三共)」・「セビカー Sevikar (第一三共)」、抗凝固剤「リクシアナ Lixiana (第一三共)」、高脂血症治療剤「クレストール Crestor (第一三共)」、心不全治療剤「コンコール (メルク)」など、多数のブロックバスターラインナップを通じて循環器系医薬品市場シェア１位を占めている。既存の営業マーケティングチャネルを活用して「CART-I BP」の販路を拡大する構えだ。
また、大熊製薬は、デジタル技術の取り込みに積極的なことでも知られている。SEERS Technology Co., Ltd が開発するウェアラブル心電図機「mobiCARE 」 、連続血糖測定器「FreeStyle Libre」など、各社が開発する最新技術を採用して、国内ウェアラブルデバイス市場を主導していき、循環器系市場で「CART-I BP」の競争力をさらに高めることが期待されている。
韓国では、1,200万人に及ぶ高血圧患者が予想されている。スマートリングは、医療グレードのものに加え、ファッション性を兼ね添えた製品などが続々生まれている成長市場だ。診断技術と治療ソリューションの開発を促進するのと同時に、健康意識を高めるものとして、医療産業、健康産業を牽引するキラーコンテンツとなることが「CART-I」に期待されている。
（了）
本記事は以下の公式発表を翻訳要約し、適宜解説を加えたものである。
- 大熊製薬PR 「대웅제약, 세계 최초 반지형 24시간 연속혈압측정기 ‘카트원BP’ 국내 판권계약 체결」、2023/06/08
大熊製薬、世界初のリング型24時間連続血圧測定機「CART-I BP」国内販売権利契約締結
https://newsroom.daewoong.co.kr/archives/18725
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