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元FDA局長3名らが執筆
ワシントンDC拠点の超党派政策推進シンクタンク、Bipartisan Policy Centerは8月21日、規制面あるいは価値に基づく支払いの意思決定にリアルワールド・エビデンス(RWE)を活用するための推奨事項をまとめた報告書を発表した。
報告書は、元上院多数党院内総務(2003~2007年)のWilliam H Frist博士と、Mark B McCllelan博士、Andrew C von Eschenbach博士、Robert M Califf博士の3名のFDA局長経験者が中心となり作成した。
報告書は、RWEには大きな機会が存在すると述べる一方で、その使用における障壁も指摘している。例えば、データソースは医師オフィス、病院、診断ラボ、保険会社といったあらゆる場所に存在するが、RWE活用における最大の障壁は、こうしたデータソースへのアクセスが限られていることにあると論じている。
また、データへのアクセスが得られても、相互運用性の実現は多額の資金を要する大きな課題であると述べ、医療ITのコーディネーションを担当する保健福祉省(HHS)のONC(Office of the National Coordinator for Health IT)に対し、データソースへのアクセス向上と相互運用性のための方策を引き続き推進することを求めた。
仕様標準化団体HL7(Health Level Seven)策定の医療情報交換規格「FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources)」の実施要綱作成に向け、FDA、ONC、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)と他の利害関係者との協力の重要性も指摘した。CMSに対しては、メディケア受給者データへのアクセス拡大を求めている。
その他の重要事項として、RWE活用に向けた適正なFDA連邦予算の確保、患者由来データや人工知能(AI)の利用拡大などを挙げた。価値に基づく支払いモデルへのRWE活用に関しては、法律や規制上の障壁への対処も必要になると述べている。
(了)
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