2019/11/26
米国eHealthジャーナル 第8号
Omada Health、Intermountain Ventureから資金調達
デジタルセラピューティクス, VC投資・M&A・決算, ジャーナル第08号, Omada Health, 医療機器
持続血糖値モニタリングデバイスでAbbottと提携
糖尿病、高血圧症、高脂血症患者向けの疾病管理プログラムを手掛けるデジタルセラピューティクス(DTx)企業のOmada Health(以下、Omada)は10月10日、Intermountain Ventureから投資を受けたことを明らかにした。Intermountain Ventureは、統合されたヘルスケア・デリバリーサービスの提供で知られる米国の高名な医療機関Intermountain Healthcareの投資部門。今回の資金調達は、投資会社Wellington Managementの主導の下、Cigna Ventures、Kaiser Permanente Ventures、Sanofi Ventures, Andreessen Horowitzなどが参加し、7,300万ドルを調達した2019年6月の投資ラウンドに続くもの。なお、Intermountain Ventureの投資金額は非公開となっている。
OmadaとIntermountain Healthcareは5年前から提携関係にあり、2016年からは米国医師会(American Medical Association、AMA)の協力を得て、医師の紹介を通じた糖尿病予防のためのデジタルプログラム提供で協力している。Intermountain Ventureによる今回の投資は、OmadaとIntermountain Healthcareの既存の提携関係を強化するものとなる。
Omadaの糖尿病患者向けDTxは、ワイヤレス接続された体重計と在宅血糖値測定デバイス、スマートフォンアプリを利用するオンライン・コーチング、患者コミュニティのオンライン・ピアグループ、食事や運動、睡眠、ストレスなどについて指導する双方向オンライン・レッスンなどで構成される。DTx企業の多くはFDA承認の獲得を目指して臨床試験を実施しているが、DTxや疾病モニタリング技術が保険償還対象となるために、必ずしもFDA承認が必要というわけではない。Omadaの慢性疾患管理プログラムはFDAの承認を受けていないが、全米50州の600を超える雇用主や保険プランに採用されている。Omadaはまた、メディケアで2018年から償還が開始された糖尿病予防サービス「Medicare Diabetes Prevention Program (MDPP)」における最大手の予防プログラムプロバイダーである。
別件でOmadaは10月14日、大手医療機器メーカーのAbbottと提携したと発表した。Omadaの糖尿病患者向けDTxに、Abbottの持続血糖値モニタリングデバイスの「FreeStyle Libre」を組み合わせ、糖尿病患者の疾病管理を支援する。FreeStyle Libreは46カ国150万人の糖尿病患者に利用されている実績があり、AbbottによるとFreeStyle Libreは日本、米国、フランスをはじめとする33カ国において保険償還の対象となっている。
(出典)Omada Health
(了)
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