2019/11/26

米国eHealthジャーナル 第8号

Livongo、連邦職員向けの健康保険でデジタルプログラムを提供

ジャーナル第08号, Livongo, デジタルセラピューティクス

過去最大の契約を獲得し、株価が上昇

慢性疾患患者向けにスマホアプリを利用した疾病管理プログラムを提供するデジタルヘルス企業のLivongo Health(以下、Livongo)は10月7日、糖尿病患者向けのデジタル・プログラム提供に向け、連邦機関職員とその家族に健康保険を提供するBlue Cross and Blue Shield Federal Employee Program(以下、FEP)と2年間の契約を締結したと発表した。FEPは、全米で約530万人に健康保険を提供している。合意の下Livongoは、2020年1月から、FEPに加入する1型および2型糖尿病患者を対象として、血糖値測定デバイスやスマートフォンアプリを利用したオンライン・コーチングなどで構成される同社のデジタル・プログラムを提供する。

スマホアプリを利用したLivongoの疾病管理プログラム
(出典)Livongo Health

Livongoにとって今回の契約は、過去最大規模のものである。同社の糖尿病患者向けデジタル・プログラムのユーザー基盤は、本契約により2万5,000人増加して2021年には4万5,000名に到達する見通し。また、本契約により2年間で5,000~6,000万ドルの収入がもたらされるという。FEPとの契約締結の発表を受けて同社株は同日、18%上昇した。

糖尿病管理からスタートしたLivongoは、前糖尿病や高血圧症の患者を対象とする管理プログラムも手掛けるようになり、2018年4月発表のRetrofit買収を通じて体重の管理にも手を広げた。また、2019年1月には、MyStrengthを買収し、精神疾患分野におけるプレゼンスも獲得した。MyStrengthは、オンライン認知行動療法(CBT)アプリを提供する企業で、全米32州で提供されている130以上の保険プランで採用されている。デジタルヘルスに特化するベンチャー・ファンドのRock Healthによると、デジタルヘルス企業による新規株式公開(IPO)は2016年来枯渇状態にあり、企業による買収合併がデジタルヘルス企業の最も一般的なエグジットとなっているが、Livongoは2019年7月、1株あたり28ドルで新規株式公開(IPO)を実施すると発表、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに上場した。同社はIPOで3億5000万ドル以上を調達した。

(了)


本誌掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2019 LSMIP事務局 / CM Plus Singapore Pte. Ltd.

連載記事

執筆者について

関連記事

関連記事はありません