2019/12/10
米国eHealthジャーナル 第9号
PearとIronwoodが提携
ジャーナル第09号, デジタルセラピューティクス, Pear Therapeutics
胃腸疾患向けデジタルセラピューティクスを開発
デジタルセラピューティクス(DTx)の開発に特化するPear Therapeutics(以下、Pear)と、消化管疾患治療薬の開発に特化するIronwood Pharmaceuticalsは10月30日、消化管疾患向けの処方箋DTxの開発を目的として両社が提携したことを明らかにした。両社は提携で、処方箋DTxに関するPearの専門性と、消化管疾患分野におけるIronwoodの医薬品臨床開発能力を持ち寄る。
IronwoodはAllerganとの提携の下、慢性便秘型過敏性腸症候群(IBS)を適応症にFDA承認を受けたLinzess(一般名linaclotide)を共同販売するほか、IBSに伴う腹痛および下痢の治療を適応としてMD-7246を臨床試験段階で開発している。Linzessは現在、IBS関連の腹部症状と小児の便秘を適応症とした開発も進められている。
Ironwood単独では、胃食道逆流症(GERD)の治療を適応とするIW-3718をフェーズIII試験段階で開発中であり、2020年下半期の結果発表を予定している。
一方のPearは処方箋DTxにおけるパイオニア企業。薬物あるいはアルコール中毒患者の治療を適応とした「reSET」と、オピオイド使用障害治療を適応とした「reSET-O」は、いずれもコミュニティ強化(community reinforcement)とよばれる認知行動療法を採用するFDA承認済みのスマートフォンアプリで、購入には医師の処方箋が必要となる。
同社は10月15日に、これらの処方箋DTxについてSandozと締結していた共同販促契約を解消し、今後はPearが単独でこれらを販売すると発表したばかりだ。なおPearは、同社にとって3番目の処方箋DTxとして、今年7月に不眠症およびうつ病を適応症とする「Somryst」の承認申請をFDAに提出している。
これまで中枢神経疾患分野でのDTx開発に注力してきた同社は、今回のIronwoodとの提携が、同疾患以外にも開発の対象を広げるための重要な一歩になると説明した。
(了)
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