2021/11/23
米国eHealthジャーナル
ジャーナル 第54号
「米国eHealthジャーナル」 第54号 (2021年11月23日)
AI創薬分野では、Merck、Pfizer、AstraZeneca、Teva ら製薬大手が共同設立したAION Labのような新しい協調の動きが見られた一方、Schrödinger社と提携したがん治療の権威MD Andersonのように個社間での提携も相次いだ。消費者家電小売大手のBest Buy社が遠隔患者モニタリングのCurrent Health社を買収したニュースは需要高まる高齢者ケアのソリューションへの一つの回答となるであろう。その他、うつ病の個別化医療を開発するイスラエルのGenetika+社や、FDA承認申請経路のDe Novoガイダンス最終案、Rock Healthのデジタルヘルス投資トレンド報告、などを紹介する。
FDA、デノボ経路明確化ガイダンスを最終化
必要に応じて市販前施設査察も実施
FDAは10月4日、医療機器の承認申請経路の1つである「デノボ(de novo)経路」が適用される要件を明確化した2018年12月発表のガイダンス案を最終化した。デノボ経路は、安全性リスクが低~中程度(クラスIもしくはII )で...
NIH、12種類の新規COVID-19迅速診断テストの開発に7,700万ドルを提供
スマホ連動型の家庭用診断テストを開発するBDなど10組織を選出
国立衛生研究所(NIH)は10月14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)テストのイノベーションおよび開発と商業化の加速を目指すNIHの「Rapid Acceleration of Diagnostics(以下RADx)」イニシアチブの下、患者の自宅あるいは医療現場、専用ラボで、ウ...
PearのDTx製品、マサチューセッツ州メディケイドがカバー
約200万人のメディケア受給者にPearの2製品へのアクセスを提供
処方箋デジタルセラピューティクス(DTx)の開発に特化するPear Therapeutics(以下Pear)は10 月13日、薬物あるいはアルコール中毒患者の治療を適応にFDAから承認されたリセット「reSET」と、オピオイド使用障害(OUD)患者による外来治療...
利尿剤bumetanideが遅発性AD予防に効果
米国の共同研究班、NIA出資の研究で明らかに
非営利の生物医学研究組織であるGladstone Institutesの研究者が主導する、複数の学際研究機関を含む共同研究班は、アルツハイマー型認知症(AD)の遺伝性リスクがある人のAD発症予防にFDA承認済みの経口利尿剤bumetanideが有効である可能性を...
製薬大手4社ら、AION Labを設立
AIと計算科学を用いた治療薬開発を推進
米製薬大手のMerckとPfizer、英国の製薬大手AstraZeneca、世界最大のジェネリック薬企業でイスラエルを拠点とするTeva Pharmaceutical Industriesの大手製薬4社と、イスラエルを拠点とするバイオテク企業への投資に特化するIsrael Biotech Fund、およびAmazon Web Service(AWS)は10月...
MD Anderson、計算創薬プラットフォームのSchrödingerと提携
WEE1阻害剤プログラムの開発で
MD Anderson Cancer Center(以下、MD Anderson)は10月7日、計算創薬に特化するニューヨーク州ニューヨーク拠点のSchrödingerと提携したと発表した。MD Andersonは、テキサス州ヒューストンにあるUniversity of Texas の傘下組織で、病院や研究機関などが集まる世界最大級...
EQRx、生物製剤発見でAbsciと提携
安価な次世代タンパク治療薬を開発
手ごろな価格で提供される革新的医薬品の開発を目指すEQRxと、人工知能(AI)創薬に特化するAbsciは10月6日、生物製剤の発見で提携に至ったと発表した。本取引の金銭面での詳細は非公開。マサチューセッツ州ケンブリッジ...
消費者家電小売り大手のBest BuyがCurrent Healthを買収
家電の未来はヘルスケアの未来
消費者家電小売り大手のBest Buyは10月12日、人工知能(AI)を基盤とする遠隔患者モニタリング・デバイスを開発するCurrent Healthを買収したと発表した。本取引の金銭面での詳細は非公開。Current Healthが開発したAI基盤の上腕装着型ウェア...
Rock Health、2021年第3四半期デジタルヘルス投資トレンド報告書を発表
直前四半期からは減速も、高水準を維持
デジタルヘルスに特化するベンチャー・ファンドのRock Healthは10月4日、2021年第3四半期におけるデジタルヘルス投資トレンドを分析した報告書を発表した。報告書によると、2021年第3四半期にはデジタルヘルス領域において合...
AIチャットボットで物質使用障害(SUD)患者を治療
デジタル・インタラクションでチャットボットとの「絆」を構築
物質使用障害(SUD)患者の治療や支援にデジタル・チャットボットが有用であることを示唆する研究「A randomized controlled trial of a therapeutic relational agent for reducing substance misuse during the COVID-19 pandemic」が10月1日付でDrug and Alcohol Dependenceに掲載された。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流...
連載:過去記事から見る「へルスケア分野とテクノロジー」
第12回. テーマ別動向:規制機関
「米国eHealthジャーナル」では、2019年8月以来、デジタルヘルスに係る最新の情報を、厳選してお届けしてまいりました。これまで、700以上の記事を提供してまいりましたが、この連載では12回にわたり、これまでの記事から見える...
イスラエルGenetika+、うつ病のin vitroスクリーニングを開発
「Brain in a dish」技術で個別化医療への道筋
患者個人毎に最も適合した抗うつ剤の選択を通じて個別化医療ソリューションを開発する、イスラエル拠点のスタートアップ Genetika+社 (Genetika Rx Ltd) は9月30日、精密医療の診断技術を投資領域とするベンチャーキャピタルGreyBird Ventures (ボスト...
海外デジタルヘルス情報のオンライン情報誌「米国eHealthジャーナル」
発行人:株式会社シーエムプラス LSMIP編集部
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