2022/07/26
米国eHealthジャーナル第69号
Sanofi、臨床研究関連書類作成の自動化で Yseopと提携
創薬, AI技術, ジャーナル第69号, Yseop, 提携, Sanofi
AIを基盤とする自然言語生成技術を導入
フランスの製薬大手Sanofiと、同じくフランスを本拠とする人工知能(AI)ソフトウェア開発企業のYseopは、Yseopの自然言語生成(NLG)技術を活用してSanofiが臨床研究関連書類の作成と提出プロセスの加速に用いることで提携合意に至った。Yseopが6月16日に発表した。2000年に設立されたYseopは、NLG技術を使用したノーコード・インテリジェントレポートの自動生成を専門とする企業で、本拠であるパリのほか、米国ニューヨーク、フランスのリヨン、コロンビアのボゴタにオフィスを構えている。
Sanofiは、NLGを臨床試験の書類作成ワークフローにいち早く活用した製薬企業の1社である。Yseopとは2017年から提携関係にあるが、今回の提携により、NLGの使用対象をさまざまな治療薬やワクチンに拡大する。一部報道によると、SanofiはYseopに、毎年のFDA提出書類の数に応じて決まるサブスクリプション形式で料金を支払う。
Yseopによると、AI基盤技術の活用による臨床研究報告書作成の自動化は、報告書作成にかかる時間を平均30~40%削減することが可能で、医薬品上市までのスピードが加速される。Yseopは複数の大手製薬企業と提携関係にある。
出典:Yseop
SanofiはAIの活用に積極的で、2021年11月にはAI創薬企業のOwkin、今年1月にはAI創薬に特化する英国企業のExscientiaと提携している。Owkinとの提携は、OwkinのAI技術および連合学習(Federated Learning)技術を利用して癌治療薬のパイプライン拡充を目指すもので、臨床試験デザインの最適化、疾病リスクや治療アウトカムの予測が可能なバイオマーカーの特定、ならびに非小細胞肺癌、トリプルネガティブ乳癌、中皮腫、多発性骨髄腫の治療薬開発に取り組んでいる。Exscientiaとは、癌と免疫学分野で最大15の低分子医薬品候補を開発する目的で共同研究およびライセンス契約を締結した。
(了)
本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2022 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部
連載記事