2022/09/13
米国eHealthジャーナル第72号
Amazon、ハイブリッド・プライマリケア・プロバイダーのOne Medicalを買収
Amazon, ジャーナル第72号, VC投資・M&A・決算, テレヘルス
ヘルスケア事業へのフォーカスをさらに深化
Amazonは7月21日、ハイブリッド・プライマリケア・プロバイダーのOne Medicalを買収することでOne Medicalと合意に至ったと発表した。Amazonは1株あたり18ドルで One Medicalを取得する。取引は全て現金で行われ、その規模はOne Medicalの負債も含め約39億ドル。
One Medicalは、バーチャルケアと対面ケアの両方を提供するプライマリケア組織で、Amazonは同買収により、自社のヘルスケア事業を補完することとなる。Amazonは現在、ハイブリッド・プライマリケア・プログラムの「Amazon Care」を全米の複数都市で展開中。
出典:One Medical
Amazon Careは、ワシントン州シアトル在住の同社従業員向けにバーチャル・ケアと対面ケアを組み合わせた最良のケアを提供する目的でAmazonが2019年9月に立ち上げたパイロット・プログラム。当初からAmazonは、シアトル以外の地域においてもAmazon Careを展開する計画を明らかにしていた。Amazon Careでは、テレヘルス、オンラインチャット、医薬品メールオーダー、往診手配などのサービスを提供する。ワクチン接種や定期健診など、対面ケアが必要となる場合には、Amazon Careの往診依頼アプリを利用して、自宅もしくは職場にモバイルケア看護師を呼ぶことが可能だ。医師、ナース・プラクティショナー、看護師からなるケアチームには、24時間年中無休でバーチャルによりアクセスすることが可能で、ケアやアドバイスをいつでも受けることが出来る。
Amazon Health ServicesのSVPであるNeil Lindsay氏は、One Medicalの買収について「ヘルスケアには改善の余地が多く存在する。医師の診察予約を取ろうとしても、予約が取れるのはしばしば数週間から数カ月先のことで、患者はそれまで診察を待たねばならず、診察当日には仕事を休んでクリニックまで運転し、空いている駐車場を見つけてから、待機室で長い時間を過ごし、やっと会えた医師との会話は数分で終わる。そして、そこから処方箋医薬品を入手するために、さらにドライブすることになる。Amazonでは、患者経験の改善と患者の時間的制約からの解放の両方において、多くの機会があると考えている」と述べている。
(了)
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