2022/10/11

米国eHealthジャーナル第74号

Plume、シリーズB投資ラウンドで2,400万ドルを調達

ジャーナル第74号, テレヘルス, VC投資・M&A・決算, Plume

ジェンダー・アファーミングケアをバーチャルで提供

トランスジェンダーの人々を対象としたバーチャルケアの提供に特化するコロラド州デンバー拠点のスタートアップ企業Plumeは8月23日、シリーズB投資ラウンドで2,400万ドルを調達したことを明らかにした。Transformation Capitalが主導した同ラウンドには、General Catalyst とTown Hall Venturesも参画した。Plumeは約1年半前に完了したシリーズA投資ラウンドでは1,400万ドルを調達している。

Plumeは、エストロゲンやテストステロンによるホルモン補充療法を含む処方箋医薬品、テレヘルスサービス、検査、サポートグループなど、ジェンダー・アファーメーション(gender-affirmation)を支援するケアをバーチャルで提供している。ジェンダー・アファーメションとは、自認する性での自分として生きていくことの肯定とその実現のための行動全般を指す。Plumeでは、性別適合手術や氏名変更の支援を目的とするメディカル・レターも提供している。Plumeのサービスのメンバーシップ料金はほとんどの州で1カ月99ドルに設定されている。

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出典:Plume

Plumeでは、今回のシリーズB投資ラウンドで調達した資金を利用して、同社のデジタル・サービスを全米で展開する計画だ。また、バーチャル・プライマリケア領域への参入と、同社サービスの保険適用に向けたマーケットアクセス戦略に力を入れるという。

トランスジェンダーに限らず、LGBTQ+コミュニティ向けにサービスを提供するデジタルヘルス企業は増加傾向にある。LGBTQ+はセクシュアルマイノリティの総称の1つで、頭文字はそれぞれ、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング、を表している。LGBTQ+コミュニティ向けデジタルヘルス企業、Folx Health(以下、Folx)は2021年2月のシリーズA投資ラウンドで2,500万ドルを調達したことを明らかにしている。Folxは最近、雇用主向けのサービスを立ち上げた。

ほかにも、テレヘルス大手のDoctor On Demandとヘルスケア・ナビゲーションプラットフォーム企業Grand Rounds Healthの合併によって誕生した企業が、合併完了後間もない2021年5月にLGBTQ+コミュニティ向けのケアナビゲーション・プラットフォーム企業、Included Healthを買収し、その後に会社名をIncluded Healthに変更している。Included Healthは全ての人々に個別的な統合ケアを提供することを目指している。

(了)


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