2022/12/13
米国eHealthジャーナル第78号
GSK、プレシジョン・メディシン企業のTempusと提携を拡大
創薬, 患者データ・疾病リスク分析, AI技術, GSK, ジャーナル第78号, Tempus, 提携
世界最大規模の匿名化患者データのライブラリにアクセス
英国の製薬大手GSK は10月18日、イリノイ州シカゴ拠点のプレシジョン・メディシン企業、Tempusと共同研究契約を締結することで合意したと発表した。GSKは契約一時金として7,000万ドルをTempusに支払う。契約期間は3年だが、GSKは期間を2年間延長するオプション権を持つ。
GSKとTempusは、特定の癌患者の臨床試験登録について2020年から提携関係にある。既存提携を拡大するものとなる今回の合意によりGSKは、Tempusが保有する世界最大規模の匿名化患者データのライブラリを含む、Tempusの人工知能(AI)基盤プラットフォームへのアクセスを得る。提携は当面、癌分野にフォーカスするという。
Tempusのデータセットは、米国の腫瘍専門医40%以上(学術医療センターおよび地域病院)との連携から得られたものだ。両社は、TempusのAIおよび機械学習(ML)能力を活用し、臨床試験デザインの改善、被験者登録の迅速化、創薬ターゲットの特定に共同で取り組む。これにより、研究開発の成功率を引き上げ、より個人に合った治療をより迅速に患者に提供できると期待する。
2015年設立のスタートアップ企業であるTempusは、プレシジョン医療の実現に向けて、データに基づく医師のリアルタイム意思決定を支援するMLプラットフォームや、次世代ゲノムシーケンシング(NGS)データや電子カルテ(EMR)の統合により患者と臨床試験の正確なマッチングを実現し被験者登録プロセスを加速するソフトウェア「TIME Trial」などを手掛けるほか、製薬企業との提携を通じてAI基盤の医薬品発見および開発を行っている。
出典:Tempus
米製薬大手のJanssen Research and Developmentとは2020年11月に効率的な被験者登録の支援を目的として提携し、その後2021年12月には癌分野におけるプレシジョン・メディシンを推進する目的で既存提携を拡大している。
(了)
本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2022 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部
連載記事