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ソーシャルデータを使った疾病予測モデル
Facebook上での近況報告でユーザが利用した言語から、ユーザの健康状態を予測するUniversity of Pennsylvania School of Medicineの研究、「Evaluating the predictability of medical conditions from social media posts」が6月17日付で PLOS ONEに掲載された。同大によると、これは、患者の電子医療記録(EHR)データとソーシャルメディアデータをリンク付けした初の研究であり、 ユーザのFacebook投稿が特定の疾病を予測するデジタル・バイオマーカーとなり得る可能性を示唆している。
研究では、999名の被験者による94万9,530件の投稿(約2,000万字)の分析から、被験者のEHRデータに記されている健康状態を予測可能かどうか検証した。研究班は、解析の対象とした21種類の病状や健康状態のぞれぞれについて、1)Facebook投稿、2)デモグラフィックデータ、3)投稿とデモグラフィックデータの組み合わせ、に基づいて3種類の予測モデルを構築し、各モデルで機械学習ベースの統計学習技術を用いて予測を試みた。
結果、Facebook投稿基盤の予測モデルは、21種類の症状全てについて「偶然以上」にそれを検出することが出来た。うち、18種類の症状については、投稿とデモグラフィックデータを組み合わせた予測モデルでより正確な検出が可能だった。Facebook投稿基盤の予測モデルは、糖尿病、妊娠、不安症、精神病、慢性肺疾患、性感染症(STD)、薬物乱用障害、膠原血管病、血液凝固障害、アルコール依存症の10種類の症状について、デモグラフィックデータ基盤の予測モデルよりも精度が高かった。
研究論文の共著者の一人は、Facebook投稿基盤の予測モデルが、医師との対話では語られないような「言語」の影に隠れた症状を検出できる点を強調した。アルコール依存症の場合なら「酔った」や「ボトル」、鬱病なら「涙」、「悲しみ」、「痛み」など、手がかりとなる言葉は比較的単純だが、薬物乱用障害の場合は、「くそっ」、「ふさけんな」、「馬鹿げてる」といった単語が予測の手がかりとなる。
研究班は、Facebook投稿が疾病の予測に役立つことを示した今回の研究は、疾病の発症もしくは悪化の同定にソーシャルメディアデータを活用したり、ソーシャルメディア基盤の治療介入を実施する機会を提起するものだと話している。
(了)
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