2023/01/10
米国eHealthジャーナル第80号
GE HealthcareとMediView XRが提携
XR (VR/AR/MR)技術, MediView XR, 外科(手術), ジャーナル第80号, 医療コミュニケーション支援, GE HealthCare, 提携
医療チーム間の連携を促進させる複合現実(MR)基盤のソリューション
オハイオ州クリーブランドを拠点に拡張現実(AR)基盤の医療技術を提供するMediView XRは11月28日、医療技術、診断、デジタルソリューションに特化するGE Healthcareと提携したことを明らかにした。両社は、「OmnifyXR」と呼ばれるシステムの共同開発を通じて、医療用イメージング技術を複合現実(MR)ソリューションに統合することで、医師とそのケアチームの支援を目指す。
MRは現実空間と仮想世界を融合させて見せる技術。ARと似た概念に聞こえるが、ARは現実世界に仮想世界の情報を表示させて現実を「拡張」する技術であるのに対し、MRでは現実世界と仮想世界をより密接に「複合」させて新たな空間を作り出していくことを特徴としている。MRを体験できる代表的なデバイスとしては、Microsoftの「HoloLens」が挙げられる。デバイスに内蔵されたカメラやセンサーを利用することで、マウスやキーボードなどの入力機器を使わずにジェスチャーや音声で操作を行ったり、仮想の物体に触れたりといった操作が可能となる。
具体的には、MediView XRが擁する、医療用AR基盤3D視覚化技術、手術ナビゲーション、テレヘルス・チーム連携における専門知識と、GE Healthcareの優れた医療用イメージング技術、デジタルインフラ、データ解析、臨床意思決定支援における専門性を組み合わせることで、HoloLensを装着した医師が、眼前に表示される複数の解剖学3Dホログラフィックディスプレイを評価できるようにするという。これにより、医師が患者の解剖学的構造をよりよく把握でき、より多くの情報に基づいて臨床判断を下すことができるようになるほか、離れた場所にいるケアチーム同士の遠隔コラボレーションを可能にすることだ。
出典:MediView XR
「GE Healthcareとの戦略的協業により、人間工学を改善するようデザインされたこのシステムを共同開発・制作できることを嬉しく思う。 OmnifyXRは、ワークフローの最適化と医療チーム間の連携を促進させるものでもあり、医師は、バーチャルモニター、解剖学3Dホログラフィックディスプレイ、世界中の医師との遠隔コラボレーションを同時に操作することができるようになる」とMediView XRの社長兼CEOであるMina Fahim氏は述べた。
OmnifyXRは、MediView XRによってデザインおよび製造され、まずは米国で発売される予定だという。
(了)
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