2019/08/13

米国eHealthジャーナル 第1号

UnitedHealthcare、PatientsLikeMeを買収

ジャーナル第01号, PatientsLikeMe, 保険テック, 患者データ・疾病リスク分析, 多発性硬化症(MS)

 
 

研究部門の一部としてサービスを継続

一部メディアは6月24日、大手民間保険会社の
UnitedHealthcare(以下UHC)が、患者同士の情報交換を目的としたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のPatientsLikeMeを買収したと報じた。金銭面での詳細は非公開。PatientsLikeMeが会員に送った電子メールによると、同取引は6月19日に完了しており、今後同社はUHCの研究部門の一部として運営される。

今回の取引は、PatientsLikeMeの最大の投資家が中国企業のiCarbonXであることを懸念したCFIUS(Committee on Foreign Investment in the United States)が2019年4月、iCarbonXに対し、PatientsLikeMeからの投資の引き揚げを要請したことを受けて行われた。

2006年にサービスを開始したPatientsLikeMeは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、HIV/AIDS、多発性硬化症(MS)などを含む2,900種の疾病および健康状態について患者コミュニティを形成しており、現在会員数は65万名に上る。


膨大な量のリアルワールドエビデンス(RWE)を保有するPatientsLikeMeは、患者データを創薬プロセスや疾患の理解に役立てる目的で、AstraZenecaやActelionをはじめとする製薬企業、非営利研究組織、FDA、国立衛生研究所(NIH)などの政府機関を含む80超の組織と提携関係を構築している。RWEをケアの管理や創薬に活用する動きは近年ますます活発化しており、UHCによる今回の買収も、こういったヘルスケア業界全体でのトレンドに足並みを揃えるものだ。

 

DigitalMe

 

(了)


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