2023/02/14
米国eHealthジャーナル第82号
テレヘルス企業のHeal、従業員約240名のレイオフ を警告
売却に先立つ、買い手候補の要請を受けて
一部報道は12月28日、往診による在宅プライマリケア・サービスとテレヘルス・サービスを提供するHealが、売却の可能性に先立ってレイオフ(一時解雇)を計画していると報じた。Healはロサンゼルス郡で182人、ニューヨーク市で60人の職を削減することになるという。Healの広報担当者は、同社は買い手候補と活発に議論しており、ニューヨークおよびカリフォルニアでレイオフの可能性を警告することが、買い手候補から求められていると語った。
Healは10月下旬に、ジョージア州、イリノイ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州で大手民間保険会社のCignaが提供するメディケア・アドバンテージ(MA)に同社サービスを拡大すると発表したばかり。65歳以上の高齢者を対象とする連邦保険プログラムのメディケアのうち、委託先の民間保険によって提供されるものがMAと呼ばれている。
Healは、ユーザーによる往診のコーディネートを支援するアプリとして2015年に設立された。当初は、ロサンゼルス郡に限定してサービスを提供していたが、過去5年間でリーチを拡大し、現在ではカリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ジョージア州、バージニア州、ワシントン州、メリーランド州、ワシントンD.C.でサービスを提供している。同社は直近では、2020年7月に完了したシリーズD投資ラウンドで2億ドルを調達している。そのうち1億ドルは、Healとの戦略的提携の一環として大手民間保険会社のHumanaからもたらされた。
Healのレイオフは、デジタルヘルス領域で起きている一連のレイオフの最新のものとなる。12月半ばには、デジタル行動医療企業のSonderMindが、Total Brainの買収を発表して間もなく、従業員の15%をレイオフした。また12月16日には、包括的なメンタルヘルスケアをバーチャルで提供するデジタル・プラットフォーム大手のHeadspace Healthが従業員の約4%にあたる50名をレイオフしたことが明らかにされている。
(了)
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[編集部メモ]
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