2023/04/11

米国eHealthジャーナル第85号

テレヘルス大手のTeladoc、2022年第4 四半期の決算を報告

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赤字拡大で株価が下落

テレヘルスおよびデジタル・セラピューティクス(DTx)を活用した包括的バーチャルケアを提供するデジタルヘルス企業のTeladoc Health(以下、Teladoc)は2月22日の取引終了後、2022年第4四半期および通年の決算を発表した。

第4四半期の売上は前年同期比15%増の6億3,770万ドルで、純損失は前年同期の1,100万ドル(1株あたり0.07ドル)から38億1,000万ドル(1株あたり23.49ドル)に拡大した。通期では、売上が前年比18%増の24億680万ドル、純損失は前年の4億2,880万ドル(1株あたり2.73ドル)から136億5,950万ドル(1株あたり84.60ドル)に拡大した。第4四半期の調整後EBITDA(金利、税金、償却前利益)は9,410万ドル、通年の調整後EBITDAは合計2億4,650万ドルだった。大幅な赤字拡大は、第4四半期に1株あたり23.26ドル、通期に同83.01ドルの非現金のれん代減損損失を計上したことが要因だ。決算発表後、同社の株価は下落した。

2023年第1四半期については、売上を6億1,000万ドル~6億2,500万ドル、1株あたり純損失を0.55ドル~0.45ドルとする業績ガイダンスを明らかにした。通年では、売上を25億5,000万ドル~26億8,000万ドル、1株あたりの純損失を1.75ドル~1.25ドルと予測している。

Teladocは2020年8月に、糖尿病管理を目的とするDTxのパイオニア企業として知られるLivongo Health(以下、Livongo)と合併合意に至り、同年10月末に株式交換と現金の組み合わせによる総額約185億ドルでのLivongo買収取引を完了し、包括的なバーチャル診療を提供するための新体制をスタートさせた。糖尿病管理DTxからスタートしたLivongoは、前糖尿病や高血圧症の患者を対象とする疾病管理プログラムも手掛けるようになり、2018年4月発表のRetrofit買収を通じて体重管理、また2019年1月のMyStrength買収を通じて精神疾患分野におけるプレゼンスも獲得している。しかしながらLivongoの買収は現在までのところ、Teladocの株価パフォーマンスにマイナスの影響をもたらしている。大幅赤字の原因である非現金のれん代減損損失は全てLivongoに由来している。

Teladocは他の大手テレヘルス企業に先んじて2015年7月にニューヨーク証券取引所(NYSE)上場を果たしている。上場企業となって既に7年以上経過した同社だが、依然として黒字化には至っていない。Teladocの株価はIPO時点では19ドルだったが、2020年10月末には220ドル前後まで上昇し、その企業価値は上場時から10倍以上伸長した。しかし、Livongo買収後はほとんどの四半期決算で赤字拡大を報告し、株価は下落トレンドに陥っている。ここ数カ月は30ドル前後で取引されている。今回の決算発表の翌23日には、27ドル43セントで引けた。


出典:Teladoc

(了)


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