2019/09/24

米国eHealthジャーナル 第4号

予約前に医療費を比較できる初のオンラインヘルスケア・プラットフォーム

ジャーナル第04号, 行政・規制ニュース

 
 

「cashmd.com」、今秋利用可能に

インディアナ州ブルーミントン拠点のスタートアップ企業
CashMDは8月15日、地域の医師オフィスや病院で提供される様々な治療、診断、処置などの価格を、患者が予約前に予め知ることを可能にする初のオンラインヘルスケア・プラットフォーム「cashmd.com」を立ち上げると発表した。患者は表示価格に異議がなければ、同プラットフォームで予約を取ることも可能だ。CashMDによると、cashmd.comは2019年秋に利用可能となる見通し。

米国は医療費が極めて高額であることが知られているが、さらに悪いことに、患者は多くの場合自身が支払う医療費を予め知ることができない。「cashmd.com」はこの状況を改善する一助になると考えられるが、このプラットフォームで価格を知ることができるのは、患者が保険を使わず医療費を現金払いするケースのみであり、保険適用時の価格が表示されるわけではない。メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は2019年1月1日から、一般的な医療行為の価格のオンライン公開を病院に義務付けているが、表示方法は病院に委ねられており、また患者はほとんどの場合、自身が加入している保険を利用するため、オンラインでの公開価格は患者が実際に支払う金額を知る手がかりにはなりづらい状況にある。

CMSは2019年7月、メディケアにおけるヘルスケアコストの透明性を高めるためのさらなる方策を提案、病院が提供する全ての製品やサービスについて、病院による請求総額と、ペイヤーごとの交渉後料金の2項目からなる「標準料金」を、病院のウェブサイトで公開することを義務付ける考えを示した。また、これを遵守しない病院に対しては、1日あたり300ドルの罰金を科すという。これらの方策は、2020年のメディケア病院外来診療の支払いモデルであるOPPS(Hospital Outpatient Prospective Payment System)およびメディケア外来手術センター(ASC)支払いモデルに関する指針草案の中に盛り込まれた。

 

(了)


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