2022/04/12

米国eHealthジャーナル第62号

分散型臨床試験プラットフォームのMedableが積極攻勢

臨床試験, 皮膚科/皮膚疾患, テレヘルス, ジャーナル第62号, CVS Health, Medable

皮膚科領域LEO Pharma子会社を買収し、CSV Healthとも提携

分散型臨床試験の管理プラットフォームを開発する、カリフォルニア州パロアルト拠点のMedable社 (Medable, Inc.)  は2月2日、皮膚科領域に特化したデンマークの製薬企業LEO Pharmaから、スマホアプリを開発するOmhu社 (Omhu A/S)  を買収。続いて2月7日には、グループ傘下に全米ドラッグチェーンCVSファーマシーを擁するCVS Health社との提携を発表した。

新型コロナ禍中のソーシャルディスタンスが要請される医療・社会環境下において、医療従事者と被験者の接触が前提となる、施設ありきの従来型臨床試験に加えて、バーチャルな分散型臨床試験が注目を集めている。
試験の効率化や希少疾患の被験者リクルート・離脱防止、人種的多様性の確保、国際共同治験など、試験実施上の課題を解決し、患者中心の将来像を加速するMedable社の近況を紹介する。

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皮膚科領域アプリを開発するOmhu社
先頃発表された2022年度版「世界幸福度ランキング」 (ギャラップ社) で2位にランクインする等、社会福祉大国として知られているデンマーク。その公共医療サービスは、GP (General Practitioner、総合診療医) 制度下で、税方式により無料で提供されている。専門的な治療が必要となれば、まずはゲートキーパー的なGPにかからなければならない。更には、皮膚科医が少ない同国では、患者が実際に受診するまでの待機期間が23週間にまで長期化してしまったという課題が指摘されてきた。皮膚科疾患は、欧州におけるプライマリケア診療の30パーセントを占めるという事実も明らかになり、解決策が模索されてきた。

 

1908年、首都コペンハーゲンに創業したLEO Pharma は今日、皮膚科領域のスペシャリティファーマとして知られている。2020年、その事業部門LEO Innovation Lab での研究開発から ...


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