2022/06/02

臨床医が紹介する日本のスタートアップ技術 (第19回)

遠隔で質の高い集中治療を届ける、T-ICU 【後編】

臨床医, 医療コミュニケーション支援

技術的工夫により実現した遠隔で質の高い集中治療

 

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(出所:Shutterstock)

米国では、20年前より遠隔集中治療がスタートし、現在ICUの約2割が遠隔管理となっており、死亡率が26%減少しています。この、遠隔ICUのモデルを日本に持ち込んだのがT-ICUの「リリーヴ」です。このサービスによって、死亡率低下、医療費抑制、また医療従事者への負担を軽減することが期待されています。さらに、T-ICUは遠隔モニタリングシステムの「クロスバイ」も提供しCOVID-19対策で注目されています。

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(出所:株式会社T-ICU)

T-ICUの技術について引き続きフォーカスし、後編では、T-ICUの技術統括部部長および取締役の遠山文規氏へのインタビュー内容を紹介いたします。

Q1. 取り組む課題に対して、どのような技術的な工夫を行ったのでしょうか?
遠山氏:現在使える技術の中で、もっとも一般的な入手しやすい技術を選択し、不必要な費用を生じさせないことです。

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株式会社T-ICU取締役 遠山 文規氏
(出所:株式会社T-ICU)

Q2. その技術的工夫は、どのように作り上げられたのか? その過程での難点などあればお伺いさせてください。
遠山氏:医療以外の用途で使われている製品を応用し、必要とされる機能のみを吟味しながら追加していきました。内部や親交のある医療者からのフィードバックは有用ですが、導入の意思決定に関する点は実際に使った顧客からのフィードバックが重要で、当初なかなか顧客数が増えない中で改善していったところが難しかったです。

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