2022/06/16

デジタルテクノロジーによって進化する歯科治療(第6回)

AIで歯が守られる? -X線画像診断への応用で早期発見につながる可能性

AI技術, 歯科・口腔外科, 診断・検査・予測, 医療コミュニケーション支援, 臨床医

AIによる歯科のX線画像診断に関するイギリスの報告

歯科医院を受診した時に、レントゲン撮影を受けたことがあると思います。普段、自分でお口の中を鏡越しに見るだけではわからない虫歯が見つかり、びっくりしたことがあるかもしれません。虫歯の性質にも依るのですが、X線画像で読み取れる情報量は多いのです。

一般歯科のレントゲンでは主に2次元の、パントモグラフィと言われる顎全体を平面化して見えるようにしたものや、デンタルX線と呼ばれる小さな写真が多く使われています。最近は3次元の構造が見えるCTによる撮影を用いることも増えてきました。親知らずなどの奥歯が下顎管(下顎の骨の中にある神経や血管の入っている管)や上顎洞に近い時に抜歯をする際の安全のために撮ることがあります。また、歯周病で歯ぐきの骨の手術(歯周外科手術)をする場合や複雑な根管の治療、インプラントの手術などでは2次元の写真ではわからない、より立体的な情報が必要になることがあります。

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パントモグラフィ (出所:Shutterstock)
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3次元構造が見えるCT撮影(出所:Shutterstock)

虫歯の深さや広がり、骨の中の状態などを知るためのX線画像の読影はどのような治療をするかにつながり、経験と知識が必要になります。医科でもレントゲンの読影や画像診断にAIの採用が進んでいるようですが歯科でも近年、研究が進んでいます。

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