2022/06/23
医学博士が解説するリハビリテーションとデジタル技術(第4回)
MELTINの手指用ロボットニューロリハビリテーションとは 【後編】
リハビリテーションシステムMELTzの性能と臨床研究
MELTz手指運動リハビリテーションシステム (出所:MELTIN)
株式会社メルティンMMI(以下、MELTIN)は、第二種医療機器製造販売業許可*¹を取得し、「MELTz(メルツ)手指運動リハビリテーションシステム」のクラスⅡ医療機器認証*² を取得したことを6月15日に発表しました。これによって、医療機器の「MELTz手指運動リハビリテーションシステム」を、自社で設計および住友ファーマ株式会社と共同開発し、製造販売することが可能となります。
MELTz手指運動リハビリテーションシステムで何ができるのか
MELTINが開発した「MELTz手指運動リハビリテーションシステム」は、脳神経科学に基づいたリハビリテーションの手法で手指運動のトレーニングをサポートする医療機器です。生体信号をAIが分析することで、脳卒中片麻痺患者などが手をどう動かしたいかを読み取り、その意図に準じて手指の動きをアシストします。
MELTz Technology (出所:MELTIN)
ニューロリハビリテーションにおいて、麻痺した指を自分自身で動かすことは機能の改善を図る上で最も重要ですが、一方で最も難しい課題でもあります。麻痺の重症度に合わせて、はじめは「グー」「パー」のように指の曲げ伸ばしの運動から始まり、麻痺の回復に合わせて複雑な動作やスピードを求める運動へ展開していきます。しかし実際のところ、セラピストの能力や経験によって訓練の内容が異なり、回復のレベルに差が生まれてしまいます。そこで、患者が意図した動きをAIが解析してアシストすることにより、客観的なデータをもとにした訓練となり、患者の能力を最大限に活かすことが可能になるのではないか、と考えられます。
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