2019/08/13

米国eHealthジャーナル 第1号

糖尿病管理プログラム大手のGlooko、T1D Exchangeと提携

糖尿病, 患者データ・疾病リスク分析, ジャーナル第01号, 疾病管理・患者モニタリング, Glooko

 
 

匿名化患者データをT1D Exchangeのデータプラットフォームに統合

糖尿病管理プログラムを手掛ける
Glookoは6月4日、1型糖尿病患者のための非営利研究組織であるT1D Exchangeと提携したと発表した。合意の下、両組織はGlookoが保有する患者データを匿名化した上で、T1D Exchangeの「Quality Improvement Collaborative(QIC)」に統合する。QICは、1型糖尿病患者の治療を掲げる11の糖尿病センターとの共同研究イニシアチブで、強固なデータプラットフォームを擁している。T1D Exchangeは6月3日に、オープンなオンライン患者データレジストリの立ち上げを発表したばかり。T1D Exchangeでは、1型糖尿病患者のデータを幅広く収集して長期コホート研究を可能にすることで、新規治療薬の開発や、規制面の動向および保険償還の決定に関与したい考えだ。

米国には、デジタルヘルス基盤の疾病管理プログラムが多数存在するが、中でも糖尿病は最も活発な疾病分野である。糖尿病は患者人口が多く、血糖値という客観的評価指標が存在し、さらにそれを容易に測定できるためだ。Glookoのほかに、Omada Health、Livongo、Virta Health、WellDocといった企業がアプリを利用した糖尿病管理プログラムを提供している。いずれのプログラムも、家庭用の血糖値測定デバイスと、スマホアプリを利用したオンライン・コーチング、および疾病モニタリングがコア要素となっている。

糖尿病には「1型」と「2型」があり、圧倒的多数を占める2型糖尿病は、遺伝的な要因に運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられており、中高年に多く発症する。一方の1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれる部分にあるβ細胞が破壊されてインスリンを産生できなくなった結果、高血糖状態が続く疾病で、子供や青年に多く発症する。T1D Exchangeによると、米国には125万人の1型糖尿病患者がいる。

 

(了)

 
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