2022/10/25

米国eHealthジャーナル第75号

Headspace HealthがShineを買収

デジタルセラピューティクス, Headspace, VC投資・M&A・決算, ジャーナル第75号, ウェルネス・運動療法

BIPOCにフォーカスしたインクルーシブなウェルネスアプリ

包括的なメンタルヘルスケアをバーチャルで提供するデジタル・プラットフォーム大手のHeadspace Healthは9 月8 日、BIPOCにフォーカスしたメンタル・ウェルネスアプリを手掛けるShineを買収したと発表した。 BIPOCは「Black, Indigenous, and People of Color(黒人、先住民、有色人種)」の略で、人種・民族的マイノリティの多様な文化を無いものとせず、リスペクトするための言葉。New York Times紙によると、BIPOCという言葉は2013年頃に初めてSNSに登場した。

出典:Shutterstock

2016年設立のShineは、セルフガイド形式のコンテンツや、ストレスや境界といったトピックについてのセルフケアコースに加え、バーチャル・コミュニティワークショップを提供している。Shineのアプリは、文化の多様性に配慮したインクルーシブなプラットフォームであり、Headspace HealthのCEOであるRussell Glass氏は声明で「Shineの買収は、多様性、平等性、インクルージョンの浸透が、変わらぬ重要性を持つことを強調するものだ」と述べた。


出典:Shine

Headspace Healthは、バーチャル・メンタルヘルスケア分野で大きなプレゼンスを有する2つの企業、HeadspaceとGingerの合併により誕生した企業で、メンタルヘルスケアのための包括的なデジタル・プラットフォームを擁する。2社は2021年8月に合併することで合意し、同年10月に取引を完了した。新企業は、世界190ヶ国の1億人超にリーチがある。


出典:Headspace

Headspace Healthは1月には人工知能(AI)を基盤とするメンタルヘルス/ウェルネスサービスを提供するSayanaを買収している。Sayanaのセルフケアアプリでは、「Sayana」と呼ばれるAIチャットボットが活躍する。チャットボットのSayanaは、ユーザーとの対話を通じてユーザーの精神状態を把握・追跡し、異なるコンテンツやエクササイズを提供する。セルフケアは、認知行動療法(CBT)や弁証法的行動療法(DBT)、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)といったエビデンス基盤の治療法に根差したプログラムとなっている。

(了)


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