2022/11/08

米国eHealthジャーナル第76号

Fitbit と Google Cloudが医療サービスプロバイダー向け新規サービスを開始

テレヘルス, ウェアラブル, Fitbit, 患者データ・疾病リスク分析, Google, 疾病管理・患者モニタリング, 提携, ジャーナル第76号

遠隔患者モニタリングや慢性疾患管理を目的としたツール

ウェアラブル端末大手のFitbit Health Solutions(以下、Fitbit)と Googleのクラウド事業であるGoogle Cloudは9月25日、ヘルスケア組織がウェアラブル由来の患者データを活用するのを支援する新規サービスを開始すると発表した。

2社によると、Google Cloud上に格納されたFitbit製ウェアラブル由来データの共有を可能にする「Device Connect for Fitbit」によって、患者は自身のFitbitデータを医療サービスプロバイダーと共有できるようになり、また自分の情報を誰とどのような目的で共有するかをコントロールできるようになる。このツールに含まれる「data connector」は、データをGoogle Cloudの分析エンジン「BigQuery」と統合するのを可能にするほか、Cloud Healthcare APIを利用することで、Fitbitのウェアラブル由来情報と臨床データの相互運用を可能にする。

新サービスには人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用する分析ダッシュボードも含まれる。FitbitとGoogle Cloudによると、このツールは手術前後の患者のモニタリング、慢性疾患患者のケア、集団健康管理、健康格差への対応、臨床研究用のデータ収集に利用できる。このソリューションにより医療機関は、臨床現場以外も含めてより総合的に患者の健康状態を把握することがますます可能になる。

GoogleとFitbitは2019年11月にGoogleがFitbitを買収することで合意したが、規制当局の調査のために数か月間に渡って取引が滞り、2021年1月にようやく買収が完了した。Fitbitは2022年4月、光電式心房細動(AFib)検出アルゴリズムについてFDAの承認を受け、健康とフィットネスを追跡するウェアラブルの新ラインをリリースしている。一方のGoogleは「Pixel Watch」と呼ばれる自社ブランドのスマートウォッチ発売を10月に開始したばかり。Googleは、将来的にはこの新しいウェアラブルにFitbitの健康・フィットネス機能を統合すると述べている。

(了)


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