2023/02/14
米国eHealthジャーナル第82号
Healthy.ioとBlue Cross of Idahoが提携
テレヘルス, 腎臓障害, Healthy.io, 診断・検査・予測, ジャーナル第82号, 患者データ・疾病リスク分析, 提携
腎臓障害および慢性腎臓病(CKD)の早期発見を可能にする革新的ツールを提供
スマートフォン基盤の診断テストおよびデジタル創傷ケアの提供に特化するHealthy.ioは12月20日、アイダホ州拠点の非営利民間保険、Blue Cross of Idahoと複数年の提携契約を締結したと発表した。 Blue Cross of Idahoはアイダホ州で59万3,000人のメンバーに健康保険を提供している。Healthy.ioは、コンピュータ・ビジョン技術における専門性を活用して、スマートフォンを診断ツールとして活用するサービスの提供に特化している。この提携では、腎臓障害および慢性腎臓病(CKD)の早期発見を可能にするHealthy.ioの革新的ツールを提供することで、アイダホ州の人々がより健康な生活を送るのを支援する。
具体的には、FDAの承認を受けた唯一の家庭用腎臓検査キットであるHealthy.ioの「Minuteful Kidney」を、Blue Cross of Idahoの従業員およびBlue Cross of Idahoが提供するメディケア・アドバンテージ(MA)プランの加入者に提供する。65歳以上の高齢者を対象とする連邦保険プログラムのメディケアのうち、委託先の民間保険によって提供されるものがMAと呼ばれている。Blue Cross of Idahoの従業員には12月から、またMAプランの加入者には2023年から検査キットの提供をスタートするという。Healthy.ioのゼネラル・マネージャー、Paula LeClair氏は「Blue Cross of Idahoとの提携により、信頼性が高く使い勝手も良いこのテストをアイダホ州内の多くの人々に届けられることを嬉しく思う」と話す。
Minuteful Kidneyは、CKDの早期診断の一助となる尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)診断テストで、2022年7月に510(k)申請経路でFDAから承認された。尿中アルブミンは、糖尿病性腎症の早期発見のマーカーとして広く認識されている。Minuteful Kidneyホームキットには、検査試験紙、サンプル採取用のカップ、そして「変色」した検査試験紙の色味を判断するための色比較サンプルトレイが含まれている。患者は、検査試験紙を尿サンプルに浸し、尿中の成分に反応して「変色」した試験紙をサンプルトレイに設置して、スマートフォンで写真を撮影して送信する仕組みだ。
出典:Healthy.io
米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国の成人の約15%はCKDを罹患しているが、多くの人々はその事実に気づいていない。Healthy.io の創設者兼CEOであるYonatan Adiri 氏は、Minuteful Kidneyについて「人工透析に移行するリスクの高い患者において、透析の可能性を劇的に減少させるという点でMinuteful KidneyはデジタルCKD予防剤として機能する」と話す。
Healthy.ioはMinuteful Kidneyのほかに、尿路感染症(UTI)の家庭用検査キットである「Minuteful for UTI」や妊婦用の家庭用尿検査キットである「Minuteful 10」、そして、看護師によるクリニック内での利用を前提としたデジタル創傷管理ソリューションである「Minuteful for Wound」の4製品を手掛けている。Minuteful for Woundは、クリニック内のワークフロー改善と、患者の正確な創傷管理を可能にする医療従事者向けのデジタルソリューションで、看護士が創傷部位をスマートフォンでスキャンすると、イメージと色彩認識のアルゴリズムが創傷部位を測定して3Dイメージを作製する。看護士のワークロードを削減するとともに、測定の精度を向上させることを意図している。
2013年設立のHealthy.ioは、2019年に実施したシリーズB投資ラウンド(2月完了)とシリーズC投資ラウンド(9月完了)において、それぞれ1,800万ドルと6,000万ドルを調達している。2020年にはスマートフォン基盤の尿診断テストを手掛ける競合企業のInui Health(以前の社名はScanadu)を現金約900万ドルで買収した。
(了)
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