Rock Health、上半期デジタルヘルス投資トレンド報告書を発表

投資額は過去最高レベルへ

デジタルヘルスに特化するベンチャー・ファンドのRock Healthは7月1日、2019年上半期のデジタルヘルス投資トレンドを分析した報告書を発表した。
 

報告書によると、2019年上半期にはデジタルヘルス領域に42億ドルの投資が行われた^*1 。下半期にも同レベルの投資が行われた場合、通年の投資額は84億ドルとなり、過去最高額を記録した2018年の投資額である82億ドルを上回ることとなる。同期間における投資案件は180件で、そのうち約30％は、1億ドル以上のメガ投資案件だった。1億ドル超の少数のメガ取引が全体的な流れを推進している点は、2018年と同様だ。投資家の顔ぶれについては、新規投資家が31％、すでにデジタルヘルス領域に投資を行っている既存投資家が全体の69％を占めた。Rock Healthは、デジタルヘルスが成熟したセクターになるにつれ、既存投資家が大部分を占める現在のトレンドが今後も続くと分析している。

報告書によると、デジタルヘルス企業による新規株式公開（IPO）は2016年来枯渇状態にあり、企業による買収合併がデジタルヘルス企業の最も一般的なエクジットとなっている。2019年上半期にはデジタルヘルス領域で43件の企業買収が実施された。下半期も同様と仮定して通年での企業買収を86件と想定した場合、近年と比較して買収取引は約25％減少しているという。

なお、2019年上半期には、Livongo、Health Catalyst、Change Healthcare、Phreesia、Pelotonの5社がIPOを計画していることを明らかにしている。Livongoは慢性疾患患者向けの疾病管理アプリを、Health Catalystは医療従事者向けのデータ解析プラットフォームを提供している。Change HealthcareとPhreesiaは、収益サイクル管理（RCM）ソリューションや、より良いケアの提供を支援するプログラムなど、医療従事者向けの技術を開発している。Pelotonは、家庭用のフィットネスバイクやトレッドミルを販売している。ユーザは、備え付けのモニターを使って、デジタルフィットネスクラスをいつでも好きな時に受講できるオンデマンドプログラム、もしくは1日に20回以上提供されるライブクラスにアクセスできる仕組みだ。

(出典)Peloton　家庭用フィットネスバイクとトレッドミル

(了)