2023/04/25
米国eHealthジャーナル第86号
Pfizer、AI主導の癌治療薬発見でTempusと提携
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AIとMLを活用した創薬の取り組みを促進
人工知能(AI)とプレシジョン医療に特化するイリノイ州シカゴ拠点の技術企業、Tempusは2月28日、米製薬大手のPfizerと複数年にわたる戦略的提携契約を締結したと発表した。本提携は腫瘍分野における新薬の発見と開発に役立つ洞察をより正確に収集することを目的とするもので、AIと機械学習(ML)を活用したPfizerの創薬の取り組みの促進を目指す。金銭面での詳細は非公開。
2015年設立のスタートアップ企業であるTempusは、プレシジョン医療の実現に向けて、データに基づく医師のリアルタイム意思決定を支援するMLプラットフォームや、次世代ゲノムシーケンシング(NGS)データや電子カルテ(EMR)の統合により患者と臨床試験の正確な結び合わせを可能にする被験者登録プロセス加速化ソフトウェア、「TIME Trial」に基づくマッチングプログラムなどを手掛けており、ほかにも、製薬企業との提携を通じAI基盤の医薬品発見や開発を行っている。Tempusはまた、米国の腫瘍専門医40%以上(学術医療センターおよび地域病院)との連携から得られたデータセットを擁している。
出典:Tempus
本提携でPfizerは、TempusのAI対応プラットフォームと匿名化されたマルチモーダルデータのライブラリにアクセスし、腫瘍分野における治療法の開発を促進する洞察を導く。また、AI主導のコンパニオン診断サービスや、臨床試験マッチングプログラムなど、研究開発をサポートするTempusの幅広い技術や専門性にアクセスし、独自の腫瘍学ポートフォリオの発展に努めるという。
Tempusはこれまでにも、米製薬大手Johnson & Johnsonの子会社であるJanssen Research and Development(以下、Janssen)や、英国の製薬大手であるGSKやAstraZenecaをはじめとする大手企業と提携している。GSKとTempusは、特定の癌患者の臨床試験登録について2020年から提携関係にあるが、2021年10月に既存提携を拡大し、GKSはTempusが保有する世界最大規模の匿名化患者データのライブラリを含む、TempusのAI基盤プラットフォームへのアクセスを得た。Janssenとは2020年11月に効率的な被験者登録の支援を目的として提携し、その後2021年12月には癌分野におけるプレシジョン・メディシンを推進する目的で既存提携を拡大している。
(了)
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