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因果機械学習で、精密医療を支援
精密医療の実施を支援するマサチューセッツ州ケンブリッジ拠点のGNS Healthcareは7月9日、大手民間保険会社Cignaのコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)であるCigna Venturesが主導したシリーズD投資ラウンドで2,300万ドルを調達したと発表した。同投資ラウンドにはAmgen Ventures、Celgene、Echo Health Ventures、Alexandria Venture Investmentsが参加した。
GNS Healthcareは、電子医療記録(EHR)や診断結果、ゲノムデータ、医薬品服用履歴など、あらゆるポイントから収集した患者データの中から、「治療」と「アウトカム」の関係を特定するのを支援する「Reverse Engineering and Forward Simulation(REFS)」と呼ばれるプラットフォームを保有する。GNS Healthcareによると、データの取り込みと解析を基盤とする他のAI技術と異なり、REFSはデータの中から新しい「洞察」を発見しようとするものだ。同社のREFSは、因果機械学習と呼ばれるAIを活用するもので、あらゆるリアル・ワールド・エビデンス(RWE)や臨床試験データに基づいて患者応答をモデル化し、何十万件ものシミュレーションを実施して、根本的原因の究明を目指す。
データの拡大に伴いREFSの精度も上がり、さらなる「洞察」がもたらされることで、真に価値のある医薬品や、個々の患者に最適にクリニカルパス、治療における経路などを明らかにすることが期待される。また、REFSから得られた洞察は、疾病経路の解明や、特定の治療が奏効する患者層の特定、新規医薬品の開発にも役立つという。
(了)
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