2023/06/13

米国eHealthジャーナル第89号

自閉症専門ハイブリッド・プロバイダーのCortica、7,500万ドルを調達

テレヘルス, VC投資・M&A・決算, ジャーナル第89号, 精神疾患, 医療コミュニケーション支援, Cortica

SpringtideとMelmedの競合2社を買収

自閉症患者向けのケアプログラムを開発するハイブリッド・プロバイダーのCorticaは4月18日、Deerfield ManagementとOptum Venturesが主導した新たな資金調達ラウンドで7,500万ドルを調達したことを明らかにした。Optum Venturesは、米民間保険最大手のUnitedHealthCare Group傘下のベンチャー・ファンド。このラウンドには、Corticaの既存投資家であるLongitude Capital、406 Ventures、Questa Capital、Ajax Health、Aperture Venture Partners、The Autism Impact Fundのほか、新規投資家として、 RA Capital Management、Echo Health Venturesが加わった。

Corticaは同日、Springtide Child Development(以下、Springtide)Melmed Centerを買収したことを明らかにした。Springtideは、米国北東部の複数拠点において自閉症やその他の学習障害を持つ子供を対象にケアを提供するハイブリッド・プロバイダー。Melmed Centerは、発達障害を専門とするアリゾナ州拠点の小児科臨床・研究グループで、全米で23の自閉症センターを所有・運営している。

Corticaは、診断や治療を求める家族と患者の「ジャーニー」が断片的になりがちな自閉症分野において、その問題を解決して包括的なケアプログラムを提供する目的で設立された医師主導のケアグループ。神経学、研究ベースの治療法、テクノロジーをシームレスに融合させることで、自閉症を患う子供と家族に、人生を一変させるような個別化されたケアを提供することを目指している。

2017年の創業以来Corticaは、小児神経科医、発達小児科医、てんかん専門医、小児看護師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、音楽療法士、行動分析士、ソーシャルワーカー、マリッジ/ファミリーセラピスト、ケアナビゲーターといった専門家を含む、1,600人以上の従業員を抱える組織に成長した。また、Corticaが社内に構築した、アウトカム研究を行う研究者や医師からなるチーム、「Cortica Innovation Network」は臨床試験の被験者募集におけるグローバルリーダーとして機能している。Corticaでは、有機的成長と今回の新たな買収により、2023年には、ニューロダイバーシティ(Neurodiversity)のさまざまなスペクトラムにある児童1万人以上とその家族にサービスを提供する見通しだ。ニューロダイバーシティとは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの発達障害を、神経や脳の差異による「個性」として捉えようとする概念のこと。


出典:Cortica

(了)


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