2023/07/25
米国eHealthジャーナル第92号
Caris Life SciencesとConcertAIが提携を拡大
AI技術, 患者データ･疾病リスク分析, ConcertAI, ジャーナル第92号, 提携, 悪性新生物(癌)
癌プレシジョン・メディシンを支援
ヘルスケアを革新するための人工知能（AI）および機械学習基盤のソリューション開発に特化するCaris Life Sciences（以下、Caris）と、ライフサイエンス企業のために癌領域のリアルワールドエビデンス（RWE）データとAI技術基盤のソリューションを開発するConcertAIは6月1日、トランスレーショナル・サイエンスと臨床開発ソリューションに関する既存提携を拡大したと発表した。CarisとConcertAIは、癌分野における分子研究プラットフォームの開発で2023年1月から提携関係にある。
今回の合意に基づき、CarisとConcertAIは今後数ヶ月の間に、分子データ、臨床データ、マルチモーダルデータからなるデータベースを構築し、癌研究に従事する学術研究者やバイオ製薬企業の研究者らが、プレシジョン・メディシン、臨床開発、臨床試験管理といった分野で新しい洞察を得ることを可能にするという。
「癌治療の未来は、包括的な生物学的データと臨床データによって推進される。ConcertAIの臨床データに、Carisの全エクソームおよび全トランスクリプトーム解析およびその他のデータを組み合わせることで、研究者は、患者ケアを改善するための新しい相関性や情報を発見することができるようになる」とCarisのプレジデントであるDavid Spetzler博士は話す。
ConcertAI（以前の社名はConcerto HealthAI）は、小売や金融など他のさまざまな事業分野にまたがってAI技術を提供するSymphonyAIの傘下企業。SymphonyAI は2020年にはイメージングAIを提供するTeraReconを買収し、ConcertAIに統合した。ConcertAIは、複数の大手製薬企業と提携関係にある。Johnson & Johnsonの子会社、Janssen Research & Developmentとは臨床試験デザインの改善と被験者の多様化で協力している。また、Bristol-Myers Squibb 、そしてPfizerとは、癌プレシジョン・メディシンのための研究で提携している。
ConcertAIとCarisは両社ともに、ここ数年で巨額の投資を調達した。ConcertAIは、総額1億5,000万ドルを集めたシリーズB資金調達ラウンドの完了から2年後の2022年に、シリーズC資金調達ラウンドで再び1億5,000万ドルを集めた。
Caris は、2023年1月に4億ドルのローンを獲得し、これまでの総調達額が17億ドル超となった。2021年5月の資金調達ラウンドでは8億3,000万ドルを獲得し、Highland Capital ManagementとCoatueが主導した 2020年10月のラウンドでは2億3,500万ドルを調達した。
（了）
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