2019/08/27

米国eHealthジャーナル 第2号

FDA、Zebra Medical VisionのAIツール、HealthICHを承認

ジャーナル第02号, Zebra Medical Vision, 診断・検査・予測, 行政・規制ニュース

 
 

ハイリスクケースを特定する頭部CT画像解析ツール

イスラエル拠点の
Zebra Medical Vision(以下、Zebra)は6月17日、造影剤を使用せず撮影した頭部X線画像を解析して頭蓋内出血があるケースを同定し、放射線医に知らせる同社のAIツール、「HealthICH」について、510(k)申請経路によりFDA承認を獲得したと発表した。

脳卒中の約10~20%を占め 、30日死亡率が35~52% と高く、しかもそのおよそ半数は発生後24時間以内に起きていると推測される頭蓋内出血の治療を奏功させるには活動性出血早期および正確な診断が鍵となる。一方で緊急治療室は多忙な部署であり、放射線医が常駐しているとは限らず、常駐していたとしても負担が大きい。このような状況においてHealthICHを導入することで優先度の高い画像から対処できるようになり、予測では80%以上の時間削減と、早期発見早期治療につながる見込みである。


経済的影響も大きい。脳卒中にかかるコストは米国国内だけでも年間340億ドルとみられており、自発性頭蓋内出血の発生率は世界で10万人中24.6人、米国内で年間約4万~万7千件にのぼるためだ。

HealthICHは、他のAI画像スキャンツールと同様に、ハイリスクケースを特定して放射線医の注意を引くことで、「見過ごし」を防ぐものであり、Zebraの放射線医向けAI画像診断ツール・パッケージであるAI1(All in One)の一部として統合される。

本製品の承認によりCT画像とX線画像両方を解析、通知を行うAIソリューションは市場初となる。

 

(了)


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