2022/08/23

米国eHealthジャーナル第71号

ルクセンブルグのLiveMetric、ウェアラブルデバイスの「LiveOne」を発売

ジャーナル第71号, 行政・規制ニュース, 疾病管理・患者モニタリング, ウェアラブル, LiveMetric, 医療機器

10秒ごとに血圧を測定する世界初のFDA承認済みウェアラブル

ルクセンブルグを拠点とするメディカル・ウェアラブル開発企業のLiveMetricは6月30日、ナノセンサー技術を搭載し、10秒ごとに血圧を測定できる世界初のウェアラブル・デバイス、「LiveOne」の発売開始を発表した。腕時計様の形状で手首に装着するLiveOneは、非侵襲的に装着者の血圧および心拍データをリアルタイムに測定することができる。

LiveMetricは5月4日に、510(K)申請経路で LiveOneのFDA承認を獲得している。利用者がLiveOneを手首に装着すると、肘窩で上腕動脈から分かれる動脈の一つである橈骨動脈上にセンサーアレイが配置される。センサー由来の動脈圧波形データにアルゴリズムを用いることで収縮期血圧と拡張期血圧が検出される仕組みだ。

出典:LiveMetric

LiveMetricによると、LiveOneによるモニタリング・サービスは間もなく、ヘルスシステムやペイヤー、自家保険提供の雇用主を通じて、高血圧症もしくは心血管疾患を罹患する患者への提供が開始される。

カフの要らないウェアラブル血圧計を開発する企業は、LiveMetricのほかにも複数ある。オムロンの「HeartGuide」は、2018年に腕時計様血圧計がFDA承認を取得した初めてのケースである。HeartGuideは、オムロンが独自に開発した幅の狭いカフや小型部品によって、常時手首に装着が可能な腕時計サイズのウェアラブル血圧計である。同社によると、圧力センサーや電圧ポンプなどを独自開発して小型化することで、本体の容積が従来の手首式血圧計の約35%となっている。ほかにも、スイスのスタートアップAktiiaが2021年に、同社の腕時計様の血圧計について、欧州連合(EU)の安全性基準を満たす製品であることを示すCEマークを取得している。 Appleも同社の「Apple Watch」に血圧測定機能を追加することに関心があると言われている。しかし、Bloomberg誌の4月の報道によると、Apple Watchへの血圧測定機能の追加は、早くとも2024年以降になる見通しだという。また、一般消費者向けのスマートウオッチやリストバンド型トラッカーの中には、血圧測定機能を持つものが販売されている(ただし規制承認は未取得)。

(了)


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