2022/11/22
米国eHealthジャーナル第77号
Sanofiと被験者登録支援企業のTrialSparkが提携
臨床試験, Sanofi, 提携, ジャーナル第77号, 創薬, Formation Bio (TrialSpark)
医薬品候補の開発を加速する画期的な臨床開発モデルの模索で協力
迅速かつ効率的な被験者登録を支援する臨床試験プラットフォームを提供するTrialSparkは10月4日、臨床試験段階にある新規医薬品候補の開発を加速させる革新的な方法の模索を目的として、フランスの製薬大手のSanofiと提携したことを明らかにした。
TrialSparkは、臨床試験プロセスを再考し、効率的な試験の実施を可能にするソフトウェアの開発に特化するニューヨーク州ニューヨーク拠点の技術企業。患者中心のデジタル被験者登録アプローチを採用することで、より迅速かつ効率的に、参加適格性を有するが未だ臨床試験に参加していない人口へのリーチを可能にする。また同社は、医師と提携し、医師オフィスを臨床試験サイトとして利用するためのシステムを提供している。医師はTrialSparkと提携することで、治験担当医師でなくても、担当患者を画期的な医薬品を検証する臨床試験へとつなげることが可能になる。医師は、臨床試験への参加適格性を有する患者の特定や、試験参加に関する患者とのコミュニケーションにおいてTrialSparkの支援を受けられるほか、患者が試験に参加したかどうかの実績ベースではなく、そういった作業に費やした時間に対してTrialSparkから報奨を受ける仕組みだ。
今回の提携でSanofiとTrialSparkは、アンメットニーズの高い疾患分野を適応症としてフェーズIIまたはフェーズIII臨床試験段階にある医薬品候補を第3者から共同で獲得もしくはライセンスし、両社の専門性を生かした画期的な臨床開発モデルを駆使して迅速な開発を目指す。向こう3年間で6つの薬剤候補について取引を行う予定だという。
2016年設立のユニコーン企業であるTrialSparkは、設立から数年間は製薬企業向けの臨床試験プラットフォーム提供を専門としてきたが、2021年9月のシリーズC投資ラウンドで調達した1億5,600万ドルの資金を活用し、現在では提携もしくは買収を通じた医薬品候補の獲得による自社開発パイプラインの構築にも力を入れている。
TrialSparkは現在、リウマチ疾患、皮膚疾患、中枢神経系(CNS)疾患および心血管代謝性疾患の4領域に注力している。TrialSparkは米製薬大手のPfizerやスイスの製薬大手Novartisとも提携関係にある。
(了)
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