2019/08/13

米国eHealthジャーナル 第1号

CVS Health、デジタルヘルスの保険償還を容易にする新規サービスを開始

疾病管理・患者モニタリング, 薬局, デジタルセラピューティクス, 医療機器, CVS Health, ジャーナル第01号

 
 

薬剤給付管理事業の顧客に提供

大手薬局チェーンの
CVS Healthは6月11日、同社の薬剤給付管理(PBM)事業の顧客に向けて、「Vendor Benefit Management」と呼ばれる新規サービスを開始したと発表した。同サービスは、保険プランや雇用主が、保険カバレッジの1つとして第三者開発のデジタルヘルス製品やウェルネス製品をより容易に被保険者に給付するのを可能にするもので、値引き交渉後価格、リアルタイムでの対象者適格性判定、簡便な請求および支払いプロセス、標準化されたエビデンス報告を提供する。

CVS Healthは同日、「Vendor Benefit Management」に参加する最初のベンダーとして、認知行動療法(CBT)を基盤とする睡眠改善アプリ「Sleepio」を手掛けるデジタル・セラピューティクス(DTx)企業のBig Healthと提携したことを明らかにした。CVS Healthでは今後、Vendor Benefit Managementに含めるサービスとして、禁煙セッション、薬物乱用障害患者向けの支援プログラム、服薬遵守プログラムなどを検討しているという。


「ヘルスケア領域でのイノベーション深化に伴い、保険プランや雇用主は、医療給付や薬剤給付、歯科・眼科給付を超えて、加入者の健康アウトカムを改善し医療費を削減する補足的保険給付をますます考慮するようになっている」とCVS HealthのPBM事業トップ、Derica Rice氏は話す。

CVS Healthの今回の動きは、2019年5月にデジタルヘルス・フォーミュラリーの導入計画を発表した大手PBMのExpress Scriptsに続くものだ(Express Scripts、デジタルヘルス・フォーミュラリー導入へを参照)。デジタルヘルス製品の保険償還を推し進める大手PBMによるこういった戦略は、Big HealthをはじめとするDTx企業にとり、大きな後押しとなるものだ。



 

Big HealthのCEOであるPeter Hames氏によると、DTx企業の課題は製品の開発だけではなく、アーリーアダプター以外の人々にどのように幅広く訴求し、保険償還を得るかだ。同氏は、デジタルヘルスが治療介入手法の1つとしてヘルスケアでの主流となることを目指すのであれば、医薬品などその他の医療製品に求められるのと同等の有効性基準を設定する必要がある、と指摘する。DTx企業の多くは、これまでにも、FDA承認の獲得や保険償還の獲得を目指し臨床試験を実施してきたが、今後はさらに、エビデンス構築に向けた取り組みが加速するだろう。

 

(了)


目次に戻る 
 

本誌掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2019 LSMIP事務局 / CM Plus Singapore Pte. Ltd.

連載記事

執筆者について

関連記事

関連記事はありません