2021/07/01

臨床医が紹介する日本のスタートアップ技術(第3回)

ウェアラブルセンサーによる体温変動の研究開発を行うMEDITA(旧:HERBIO)

ウェアラブル, 臨床医, 疾病管理・患者モニタリング, 日本

不妊治療のための臍部周辺装着型デバイスと基礎体温データの研究開発

コロナ禍において、一番敏感になっている症状は何でしょうか?それは「発熱」があるかどうかということです。病院やクリニックの入り口にはスタッフが配置されて一人一人体温を測定し、「発熱」がないかチェックしています。もし高熱があれば、通常の外来受診はできず、発熱外来などの通常診療とは動線を分けての対応になるかもしれません。コロナ禍においては、熱があるというだけで受診拒否されたなんて話題もありました。
これは医療においてだけではありません。スーパーなど店舗の入り口にもスタッフあるいは体温感知センサーなどが置かれていて、発熱がある場合には入店をお断りされるかもしれません。これだけ感染が拡大していると、やむを得ないのかもしれませんが、生活しにくい世の中になってしまいました。

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コロナ禍における「発熱」は37.5℃以上として扱われ、実際の医療現場では37℃台であればやや警戒されて発熱外来対応している医療機関もあるでしょう。しかしながら、医療機関に受診する方の中では、様々な病気が原因で常日頃から熱があるという方も珍しくありません。がんなどの悪性腫瘍やリウマチなどの膠原病、また慢性感染症などで微熱がある方もいらっしゃいます。

また、もともと平熱が35℃台で低めだという方もいらっしゃることから一概に何度以上なら発熱とも定義しにくいということもあります。外来に受診された患者さんが、36℃台のため、「熱はないですね。」と我々が言うと、患者さんから、「平熱は35℃くらいだからかなり熱があって辛いんです。」なんていわれることもあります。このように、そもそも人の体温には、平熱が異なるように個人差があるのです。また日内変動などもありますから、体温という一つのバイタルサインをとっても解釈が難しいと感じています。

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