2023/04/25

米国eHealthジャーナル第86号

Best Buy Healthと病院ネットワーク のAtrium Healthが提携

提携, テレヘルス, Best Buy, ジャーナル第86号

新しい「Hospital at Home」サービスの開発で

ノースカロライナ州シャーロットを拠点とする病院ネットワークの Atrium Healthと、消費者家電小売り大手、Best Buyのヘルスケア子会社であるBest Buy Healthは3月7日、新規の「Hospital at Home」製品の開発で提携したと発表した。「Hospital at Home」は、医療サービスプロバイダーが病院レベルのケアを患者の自宅で実現するのを支援するもので、患者と介護者の精神的・経済的負担の軽減を目指している。

両社によると、 本提携により、Atrium Healthが擁する確立されたテレヘルスおよび「Hospital at Home」プログラムと、Best Buyの家庭向けサービスおよびサプライチェーンが組み合わされることとなる。機器のセットアップとテクニカル・サポートは、Best Buyの製品サポートサービスを提供するGeek Squadユニットが担当するという。

Atrium Healthは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)パンデミックの初期段階における患者の急増に対応する手段として、「Hospital at Home」プログラムを開始した。その後、心臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎、喘息、各種感染症、その他の疾患および手術後の症状などのケアに対応できるよう、プログラムを拡大させた。

一部報道によると、遠隔患者モニタリング(RPM)デバイスに由来するデータは、Best Buy Healthの子会社であるCurrent Healthのハブを利用してプロバイダーと共有される。Best Buy Healthでは、1日あたり100人の患者をこのプログラムに参加させることを目標としている。

Best Buy Healthは、コネクテッド・ホームヘルスケア分野への進出を目指し、この分野で一連の企業買収および提携を進めてきた。 同社が2021年10月に買収したRPMデバイス開発企業のCurrent Healthはこの取り組みの柱となるものだ。人工知能(AI)を基盤とするCurrent Healthの上腕装着型ウェアラブルは2019年2月、病院内における入院患者のモニタリングを目的にクラスII医療機器としてFDA承認を受け、その2カ月後の2019年4月には、患者の自宅における利用を適応としてもFDA承認を獲得した。同RPMシステムは、集中治療室(ICU)レベルの精度で患者のバイタルサインや活動レベルを自動かつ連続的にモニタリングする。ほかにもBest Buy Health は2018年に、高齢者が住み慣れた街で年を重ねることを意味する「aging-in-place」のための技術を提供するGreatCall、また2019年には、遠隔センサー・モニタリングサービス企業のCritical Signal Technologiesを買収している。2022年11月には、RPMソリューション企業のCoeus h3c(以下、Coeus)に投資を行った。Coeusは、家庭内のデジタルヘルス機器とデータを連携させるクラウドベースのITプラットフォームを提供しており、Best Buy Healthはこの投資により、消費者が様々なデバイスやサービスから最大の恩恵を享受することを支援できるとしている。

(了)


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