2023/06/13

米国eHealthジャーナル第89号

Amazonが「Amazon Halo」を終了へ

Amazon, ウェアラブル, ジャーナル第89号

部門の閉鎖により一部従業員をレイオフ

Amazonは4月27日、サブスクリプションサービスとフィットネスバンドを組み合わせた「Amazon Halo」の提供を7月31日で終了すると発表した。Halo事業部門は閉鎖されることとなり、Amazonは、米国とカナダの従業員にレイオフを通知した。Amazonは閉鎖の影響を受ける従業員に対して、経過的な健康保険の給付、離職金、外部の職業紹介サポートを提供するという。

Amazonは2020年8月に、Amazon Haloを発表し、フィットネス業界への参入を果たした。当初の本体価格は99.99ドルで、デバイスと連動したサブスクリプションサービスが月額3.99ドルだった。5つの指標――「Activity(活動)」、「Sleep(睡眠)」、「Body(体系管理)」、「Tone(声音)」、「Labs(エビデンス基盤の実験)」――にフォーカスする専用アプリが、ユーザーの健康状態やウェルネスに関する包括的なデータを提供し、健康増進に役立つアドバイスを提供するというもので、フィットネストラッカーで一般的なActivityやSleepの追跡に加えて、これまでにない指標を提供することで話題となった。例えばBody機能では、体重とボディマス指数ではなく体脂肪に着目。ユーザーが自分の写真(正面、背面、両サイド)を撮影してアップロードすると、写真中の人物を把握するよう訓練されたディープニューラルネットワーク(DNN)が体脂肪率を計算し、ユーザーの体の3Dモデルを作成する。アプリは、性別が同じ同世代の人々と比較して、ユーザーの体脂肪率がどのレベルにあるかを知らせるほか、スライダー機能を使用して体脂肪率を上下に調整することで、体脂肪の増加または減少が体型にどのような影響を与えるかを画面上で目視するのを可能にした。

出典:Amazon

Tone機能は、マイクから収集したユーザーの日常の声について、強度、テンポ、リズムなどから周囲の人々にユーザーの声がどう認識されているかを分析して、コミュニケーションや人間関係の改善に役立てるというもの。Amazonは、世論が支持する「健康」の概念には、肉体的な健康だけでなく、社会的、精神的に良好な状態にあることが含まれると述べていた。Labs機能は、科学を基盤とした実験や挑戦を意味するもので、ユーザーがより健康になるための方法を見つける(午後のコーヒーを控えると睡眠の質が改善される、特定のワークアウトが特に効果的であるなど)ことを支援するもの。

Amazonは今回の決定について、「Amazonでは、顧客に価値を提供するために、製品の進歩や可能性を継続的に評価し、その評価に基づいて定期的に調整を行っている。先日、2023年7月31日をもってAmazon Haloのサポートを終了するという難しい決断を下した」と述べている。

Amazon Halo製品群を過去12カ月以内に購入した顧客は全額払い戻しを受けることができるほか、サブスクリプション料金の未使用分の払い戻しも受けられるという。Amazonによると、8月1日以降はAmazon Haloのデバイスおよびアプリは機能しなくなる。Haloが収集したユーザーの健康データをダウンロードまたは削除したい場合は、アプリの「設定」ページから行うことができる。Haloの健康データは8月1日に削除される。

(了)


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