2023/05/09
米国eHealthジャーナル第87号
Amazon Pharmacyが製薬3社と提携
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医薬品購入時に割引クーポンを自動適用
Amazonの処方箋医薬品オンライン販売事業であるAmazon Pharmacyは3月29日、一部の製薬企業および医療機器企業との提携により、患者がAmazon Pharmacyのウェブサイトおよびアプリで製品を注文する際に、提携先企業が提供する割引クーポンの利用条件を満たしている場合には割引が自動適用される新機能を提供すると発表した。
出典：Amazon
糖尿病や肥満、喘息などの症状および疾病に対しては、より良い健康アウトカムをもたらす新規のブランド薬が登場しているが、革新的な医薬品は患者にとって法外に高額であることも多い。Amazon Pharmacyでは、シームレスなクーポン適用により、ブランド医薬品の購入をより容易でより安価なものとすることで、患者が自身の疾患管理に集中することを支援する。
Amazonによると、製薬会社は患者の医薬品自己負担額を低減させるために自社ブランド薬の割引クーポンを提供しているが、その利用率は、利用が可能なケース全体の15％に過ぎないとの研究結果もある。患者が割引クーポンの存在を知らない、あるいはクーポンを利用するためのプロセスが面倒で分かりにくいことがその一因であるという。利用にあたって患者は、フォームのダウンロードやプログラムへの登録、または製薬会社への直接の電話などが必要になることも多い。Amazon Pharmacyのメーカーおよび処方者担当のビジネス開発責任者であるLaura Jensen氏は、「利用するためのプロセスがややこしいことから、患者はクーポンが利用可能なケースであっても使用しないことが多い」と話す。
Amazonと今回提携したのは、慢性閉塞性肺疾患（COPD）治療薬ポートフォリオで知られる英国の製薬大手のGSK、糖尿病治療薬ポートフォリオで知られるデンマークの製薬企業Novo Nordisk、デバイス一体型の医薬品開発に注力するバージニア州リッチモンド拠点のkaléoの製薬3社、および持続血糖測定（CGM）デバイスシステムを手掛ける医療機器企業のDexcomで、Amazonはこれらの企業が販売する一部の製品について、割引クーポンを自動適用する。
提携の対象となる製品は、COPDや喘息の治療薬であるGSKの「Trelegy Ellipta」や、kaléoが販売するアナフィラキシー応急処置用のエピネフリン自己注射キット「Auvi-Q」、長期体重管理を適応とするNovo Nordiskの長時間作用型グルカゴン様ペプチド-1（GLP-1）受容体作動薬の「Wegovy」、Dexcom のCGMデバイス「G6」および「G7」用のセンサーおよびトランスミッターなど。これら製品の割引クーポン対象となる患者は、クーポンを自分で探して適用する負担がなくなる。クーポンの切り抜きや、ウェブサイトでの特別なクリック、ダウンロードも不要だという。
Amazon Pharmacyは今後数カ月間で、さらなる企業提携を通じ、自動適用可能な割引クーポンの種類を増やす考えだ。
Amazon Pharmacyは、Amazonが2018年に買収したオンライン薬局のPillPackを前身として2020年に立ち上げられた。2023年1月には、Amazonの有料会員サービスである「Amazon Prime」の加入者を対象に安価でジェネリック薬を注文できる月額制のサブスクリプション・サービス「RxPass」を開始した。RxPassでは、高血圧症や不安障害、胃食道逆流症（GERD）をはじめとする80以上の症状を治療する、一般に広く処方されている50種類以上のジェネリック薬を扱う。月額5ドルで必要な量を購入することができ、送料は無料だ。
（了）
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