2023/02/14
米国eHealthジャーナル第82号
Dozee、患者遠隔モニタリング用の非接触センサーについて承認獲得
医療機器, Dozee, 疾病管理・患者モニタリング, インド, 行政・規制ニュース, ジャーナル第82号
「Make in India, Made for the World」を目指す
インドのベンガルールを拠点とする医療機器メーカーのDozeeは12月21日、独自に開発した患者遠隔モニタリング(RPM)用の非接触センサーについて、510(k)申請経路でFDAから承認を獲得したと発表した。
病院のベッドのマットレスの下に敷くようデザインされたDozeeの非接触型センサーシートは、バリストカーディオグラフィーを用いて、心拍や呼吸周期によって生じる患者の微小振動や体の動きを捉える。バリストカーディオグラフィーとは、心臓の活動と共に人体が動く現象に着目し、それを計測・記録するものだ。この振動はまず、暗号化されたデジタルシグナルに変換される。このデジタルシグナルはその後、クラウドベースの独自アルゴリズムを用いて、心拍数や呼吸数のようなバイタルサインへと変換される。バイタルサインデータは、クラウドベースの遠隔モニタリングダッシュボードを介して医療チームに提示される仕組みである。
インドは 世界保健機構(WHO)が推奨する、人口 1,000 人当たり看護師数 3 人という基準を満たしておらず、WHO 基準を満たすためには2024 年までに430 万人の看護師を追加する必要がある。Dozeeは、公立病院に非接触型センサーシートを基盤とする自動RPMシステムを導入することで、この大きなギャップを埋められると期待する。非接触型のRPM技術は、インドだけでなく世界の医療を変えることが可能だ。「Make in India, Made for the World」というビジョンを掲げるDozeeの革新的な技術は、インドのほか、アフリカ、東南アジアなどの新興市場における医療格差を解消することを目的としている。非接触型のRPM技術は、インドだけでなく世界の医療を変えることが可能だ。一度に複数の患者を臨床的な正確さをもって遠隔から継続的にモニタリングすることにより、作業負荷を軽減し、特に看護師不足が深刻化する中で業務の効率化を推進することができる。
Dozeeは、インド工科大学(IIT)の卒業生であるMudit Dandwate氏とGaurav Parchani氏によって2015年に設立されたスタートアップ企業で、BIRAC(バイオテクノロジー部門)、Prime Ventures、3one4 Capital、YourNestといったベンチャー・キャピタル(VC)企業の支援を受けている。同社の技術は、インド国内のトップ医療機関で信頼を集めており、国内40以上の地区をカバーする370以上の病院で、プレゼンスを持つ。
(了)
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[編集部メモ]
「Dozee」は、いわゆる 屋号 ( DBA : Doing Business As) であり、法人登記している正式社名は Turtle Shell Technologies Private Limited である。
従って、FDA 510(k) データベースで検索する際、見付かるべきものがヒットしなければ、社名を再確認した方が良い場合がある。
510(k) Premarket Notification
https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpmn/pmn.cfm?ID=K221555
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