2023/03/14
米国eHealthジャーナル第84号
Amazon、ジェネリック薬の定期購入サービスを開始
Prime会員が対象、配達料無料・月額5ドルの「Rxパス」
Amazonの処方箋医薬品オンライン販売事業であるAmazon Pharmacyは1月24日、有料会員サービスである「Amazon Prime」の加入者を対象に安価でジェネリック薬を注文できる月額制のサブスクリプション・サービス「RxPass」を開始したと発表した。高血圧症や不安障害、胃食道逆流症(GERD)をはじめとする80以上の症状を治療する、一般に広く処方されている50種類以上のジェネリック薬を扱う。月額5ドルで必要な量を購入することができ、送料は無料。取り扱い対象の薬には、抗生物質のアモキシシリン(amoxicillin)や非ステロイド性抗炎症薬のナプロキセン(naproxen)、エストロゲン・ステロイドホルモンのエストラジオール(estradiol)、勃起不全(ED)治療薬のシルデナフィル(Sildenafil、バイアグラの成分)なども含まれる。
出典:Amazon
Amazon Pharmacyでは、RxPassで入手できる医薬品1種類以上を定期的に服用している米国民の数は1億5,000人以上に上ると推定している。現在のPrime会費は年間139ドルで、RxPassを追加すると別途60ドルがかかる。
RxPassへの加入はAmazon Pharmacyのウェブサイトで行う。医薬品に関する相談や患者のかかりつけ医との調整など、Amazonの薬剤師もしくはサポートスタッフから24時間対応のサポートを受けることができるという。
Amazonによると、契約のキャンセルや契約内容の変更も簡単で、いつでも行える。ただし、メディケアあるいはメディケイドなど連邦政府出資の保険に加入するPrime会員、また、カリフォルニア州、ルイジアナ州、メリーランド州、ミネソタ州、ニューハンプシャー州、ペンシルベニア州、テキサス州およびワシントン州のPrime会員はRxPassのサービスを利用できない。
Amazonは2018年にオンライン薬局のPillPackを買収して処方箋医薬品薬局事業へ参入し、2020年にAmazon Pharmacyを立ち上げた。その後もヘルスケア分野での事業基盤を拡大しており、2022年7月にプライマリ・ケアサービスを提供するOne Medicalを39億ドルで買収すると発表した。同年11月には、サードパーティー・テレヘルス企業との提携を通じてアレルギー疾患や脱毛症、皮膚疾患などの一般的な症状をオンラインで診療する「Amazon Clinic」を開始している。一方で、雇用主顧客向けのサービスで、対面と遠隔診療を組み合わせたハイブリッド・プライマリケアを提供する「Amazon Care」は2022年末で終了した。
出典:Amazon
(了)
本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2023 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部
連載記事